2026年度 鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校 3学年

空間における色彩と感情の変化

空間における色彩と感情の変化

鹿児島玉龍高等学校 2年5組 栗木さくら 2026年1月22日

要旨

  本研究は、色が集中力に与える影響を調査することを目的とした。40名程度の生徒を対象にアンケート調査を実施し、好みの色と集中できる色との関係性を分析した。また実際に勉強机の色を変え簡易テストを行い、スコアを集中力の指標とした。その結果、好みの色と集中できる色の関係性は確認できなかった。一方で、色の彩度や明度の違いも関係している可能性が見いだされた。

1. 研究の背景と目的・意義

祖父がかつて設計事務所を経営していたこともあり、昔から建築に興味があった。ある大学の教授の照明デザインと感情の変化についての講座を聞き、自分でもそのような分野についての研究をしてみたいと思った。心理学にも興味があるため建築学と心理学を合わせた研究がしたいと考えた。また、色彩に限定した理由については、勉強で使うペンの色によって心理効果が変わるという記事を見たため、部屋の中でも同じことが行えるのではないかと思ったからである。

 本研究では、周りの空間に使用される色によって集中力の高さがどのように変わるのかについて理解を深めていきたい。勉強机周りの色に限定して検証することで日常生活にフォーカスすることができ、より実践的であると考えた。また、研究対象を高校生にすることで学校や塾などの教育現場での活用にも期待することができる。

 

2. 研究方法

    アンケート調査

a.     赤、黄、橙、緑、青、紫、桃、白、黒、茶の10色の家具を入れ込んだ勉強部屋の画像をchat GPTにて作成。

勉強部屋の画像をみて印象的に集中しやすそうだと思った色の部屋を選択してもらう。

    b.上記と同じ10色から一番好みの色と二番目に好みの色を一色ずつ選択してもらう。

    c.普段自習している場所を選択してもらう。

    高校2年生を対象とする。約100名程度。

    集中できる色と好みの色に数値的関係があるのか調べる。また、普段勉強している場所を調べることで、各勉強場所での最適な色の取り入れ方を考えることができる。

    実験

aのアンケートで投票結果が多かった上位3色をそれぞれ取り入れた勉強机を用意。chat GPT にて文字探索課題と計算問題を作成して取り組んでもらう。高校2年生を対象に約5名。

計算問題は、短時間に多くの処理を行う必要があり、注意力や作業への集中が結果に直接反映されると考える。また、文字探索課題では、4種類のカタカナから指定の文字を探索させ、作業量と正確性を集中力の指標とした。

単純作業である文字探索課題と、思考を伴う計算問題の両方を用いることで、色が集中力に与える影響を多面的に数値で得ることができる。

3.研究結果

①アンケート調査

 最終的な回答数は37名であった。

a.     白が一番多く45.9%であった。二番目は同率の16.2%で青と茶であった。

b.     一番好みの色の結果は青と桃が同率の16.2%で最も多く、赤、橙、黒が同率の13.5%で二番目に多かった。白は8.1%、茶は5.4%であった。二番目に好みの色は青が24.3%で一番多く、次に白が21.6%で多かった。茶が二番目に好みの人はいなかった。

c.      自習している場所は家の勉強部屋が37.8%で一番多かった。

  ②実験

   生徒3名それぞれにテストを受けてもらった。

   計算問題は30点満点、文字探索課題はすべてを見つけるまでの秒数を測定した。

   アンケート調査の結果、白、青、茶が上位3位だったためこの3色で実験を行った。

   生徒1は計算問題で白が23点、青が25点、茶が29点で、文字探索課題はすべてで15秒であった。

   生徒2は計算問題で白が23点、青が27点、茶が28点で、文字探索課題は白が21秒、青が17秒、茶が14秒であった。

   生徒3は計算問題で白が21点、青が22点、茶が23点で、文字探索課題は白が13秒、青が15秒、茶が15秒であった。

4.考察

   結果から、茶がどの生徒も計算問題のスコアがよいことがわかった。しかし、好みの色で茶を選択している人はいなかった。よって、好みの色と集中できる色の関係性は不明である。体験した生徒からは白と青は色が強くまぶしかった、という感想があった。その一方で、茶は問題が見やすかった、という感想であった。これは色の彩度や明度が関係しているのではないかと考えられる。

   また、今回集中しやすそうと多くの人が感じた色だけで実験を行ったため、結果にあまり差がでなかったと考えられる。以上のことから、誰も集中しやすそうだと感じなかった色で実験を行うとどのような結果になるのかという新たな疑問が生まれた。

5.結論

   本研究では、好みの色と集中できる色の関係性を確認することはできなかった。しかし、茶は集中力を高めることができることを示した。

   今後はより多くの色を用い、色の彩度や明度の違いについても細かく分類し研究したい。また、多くのデータを用いた研究が望まれる。

6.参考文献

芝浦工業大学.空間の色が人の行動に与える影響についての研究.Ja.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssd/70/0/70_34/_pdf/-char/ja


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