2026年度 鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校 3学年

インクルーシブ教育の実現へ向けて

インクルーシブ教育の実現へ向けて

鹿児島玉龍高等学校 2年5組 榎園 梨李

本研究のテーマは、「インクルーシブ教育の実現に向けて」である。

このようなテーマ設定に至ったのは、私自身将来教員になりたいという夢があり、教育現場においてどのような課題や取り組みを調べていくうちに、「インクルーシブ教育」というワードが出てきて、具体的にどのような取り組みがされているのか気になったから、また、私たちにもできる取り組みや取り組んだうえでの変化が気になったからである。

インクルーシブ教育とは、障がいの有無や個々の特性にかかわらず、すべての子どもたちが同じ環境で学び合い共生社会を目指す教育のこと。インクルーシブ教育の利点として、子どもの相互理解が深まることが主に挙げられる。障がいのある子どもは社会性や自立性を身に着けることができる。また、障がいのない子どもは、多様性を受け入れることに早くから慣れ、思いやりの心が育てられるのである。

一方、日本では主に「インクルーシブ教育システム」といった教育方針が採用されている。これは、厚生労働省が定めた、医療・保健・福祉・労働等を強化させる教育方針であり、ひとりひとりのニーズを把握できることが大きな利点である。しかし、この教育方針では、特別支援学校という場が必須となってくる。

そこで本研究では、特別支援学校に訪問し、そこで実際にどのような活動や工夫がされているのかを分析した。以下は、その報告である。まず、印象に残った点は挨拶を欠かさないこと、言語以外のコミュニケーション(ジェスチャーや表情)を行っていることだった。いじめなどが原因で地域学校から生徒が転校してくることによって、生徒数が増えてしまっているという課題も知ることができた。また、先生方へのインタビューでは、私たちや地域学校に通う学生ができる小さな工夫や意識はありますか?という質問に対し、いちばん大切なのは、この学校に通っているからもいっても、私たちと同じように、夢や目標を持っている学生であるという認識を持つということ、という答えが返ってきた。

このような研究を通して、インクルーシブ教育を地域学校に取り入れるために私が大切だと思ったことは、インクルーシブ教育への理解を周りの高校生に深めてもらうことだと考えた。

まず、高校生105人に「インクルーシブ教育」を知っていますか?とアンケートしたところ、「はい」と回答したのはわずか5人しかいなかった。今回アンケートしたのはあくまでも知名度であるため、そもそも名前すらあまり知られていない、という結果になった。

また、本研究では、自分のクラス(を対象に、ある実験を行った。以下はその実験の手順である。

まず、クラスでインクルーシブ教育というのはどのようなものなのかをプレゼンテーションする。そこで、「もしインクルーシブ教育が実現された場合、どのような行動が大切だと思うかを考えて、実際にそれを行動に移してみてほしい」と呼びかけを行う。後日、クラスにアンケートを行い、結果をまとめる。

では、結果についてまとめる。

アンケートは大きく分けて以下の4つの項目で行った。

(ⅰ)前回のプレゼンを通して、意識を変えて行動できたか。

(ⅱ)どのような行動ができたか。

(ⅲ)上の項目の中で普段からしていることがあったか。

(ⅳ)プレゼンやこのような行動を通して、インクルーシブ教育の理解が深まったか。

〈質問(ⅰ)について〉

クラスの88%の人が[はい]を選択、12%の人が[いいえ]を選択した。結果としては、とても良い結果となった。プレゼンテーションを通して、インクルーシブ教育に対する意識が上昇したことが読み取られる。

〈質問(ⅱ)と(ⅲ)を比較して〉

今回は選択肢を既に書いておき、できたものにチェックをできるようにした。これらの選択肢は、私が実際に特別支援学校に訪問した際に、私が見かけた行動や、先生方とのインタビューをもとに作成した。また、複数選択も可能にした。

クラスメイトや友達への挨拶

困っている人へ声をかける

話し方や伝え方を工夫する

一人ひとりの違いを尊重する

その他(記述)

の結果について]

(ⅱ)に40%、(ⅲ)に56%の人がチェックを入れた。普段から行っている人の方が多く、わざわざ意識しなくても多くの人ができている、という結果になった。

の結果について]

(ⅱ)に20%、(ⅲ)に36%の人がチェックを入れた。の結果と同様、普段から行っている人の方が多かった。

の結果について]

(ⅱ)に52%、(ⅲ)に24%の人がチェックを入れた。(ⅲ)から(ⅱ)にかけて、チェックを入れた人が2倍に増加した。普段していない人でも、プレゼンテーションを通して多くの人が行動に移してくれた。

の結果について]

(ⅱ)に40%、(ⅲ)に32%の人がチェックを入れた。❸の結果と同様、(ⅲ)よりも(ⅱ)にチェックを入れた人が多く、プレゼンテーションを通して行動に移してくれた人が増加した。このような結果を通して、プレゼンを通したうえで、私のクラスでは、インクルーシブ教育を取り入れる環境を作れた、と言える。

〈質問(ⅳ)について〉

(理解が)「深まった」、「少し深まった」、「あまり深まらなかった、深まらなかった」、の4つの項目の中から1つの項目にチェックを入れてもらった。

結果としては、「深まった」に44%、「少し深まった」に56%の人がチェックを入れた。もう少し丁寧なプレゼンテーションを行えば、「深まった」にチェックを入れた人が最も多くなったのではないかという反省点はあるが、約半数の人が「深まった」にチェックを入れてくれた。

〈実験を通して〉

これらの4段階の実験を通して、実験対象となったクラスのインクルーシブ教育への理解度は以前と比べると明らかに上昇した。また、少しの呼びかけや行動がインクルーシブ教育との距離を縮めることができた。

以上が実験内容である。

今回の研究を通し、インクルーシブ教育をとても身近なものに感じることができた。また、今回の研究によって、安心して教育を受けることのできる環境づくりができたため、インクルーシブ教育について考えて行動することは普段の高校生活にも良い影響を与えるのではないかと考えられる。

今後この教育方針が国内で広まることは、共生社会が進むきっかけになるのではないだろうか。

以下は参考文献である。

順天堂大学GOOD HEALTH JOURNAL公式サイト

共生社会を築くインクルーシブ教育 子どもの多様な学び方に応える教員を育てる

https://goodhealth.juntendo.ac.jp/social

文部科学省公式サイト

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告) 概要

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

神奈川県教育委員会公式YouTube

ちょっと教えて!インクルーシブ教育実践推進校(神奈川の高校)

https://m.youtube.com/watch?v=T67hASmQ9iA&time_continue=14&source_ve_path=NzY3NTg&embeds_referring_euri=https%3A%2F%2Fwww.pref.kanagawa.jp%2F


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