2026年度 鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校 3学年

探究テーマ
消費者被害を防ぐために、若年層(10代~20代)が理解しておくべき法律知識は何か?
①テーマ設定の背景
2022年に成人年齢が18歳に引き下げられて以降、18歳・19歳の消費生活相談件数は年々減少している。しかし、美容や副業に関する相談は2023年
度に引き続き多く見られる。また、近年では若い世代のネットショッピングの利用も増えZ世代(15~25歳)のEC(電子商取引)デビューは平均16歳と若くネットショッピングの利用頻度も高い
コンサルティング会社・Deloitte Insightsの調査によると、Z世代のアメリカ人がフィッシング、個人情報の窃取、ロマンス詐欺、ネットいじめなどの被害に合う可能性は16%で、ブーマー世代の5%に比べて3倍高かったとのこと。また、ソーシャルメディアのアカウントがハッキングされる可能性もブーマー世代の2倍だった。
さらに、ネット調査サービス・Social Catfishはインターネット詐欺の概況をまとめた年次レポートで、被害者が20歳未満のオンライン詐欺の被害総額は2017年の820万ドル(約12億3000万円)から2022年には2億1000万ドル(約315億3000万円)に急増したと報告してい
る。
このような状況の中で私たちのような経験の少ない若年層がどのようにして消費者被害を防ぐべきなのかを調べていく
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000614.000022933.html
https://gigazine.net/news/20240224-gen-z-vs-boomers-scams/#google_vignette
②仮説
若年層はどのような被害に遭いやすいのか
③調査方法
18歳から20代前半の消費者被害の例について調べる
消費者被害を防ぐために必要なこと
④結果・分析
1.起きている消費者被害の内容
美容に関する被害では、インターネット広告をきっかけに医療脱毛などの高額な契約を結んでしまうケースがある。広告を見てクリニックを訪れた18歳の女性が、約50万円の全身脱毛を勧められ、その場で契約書に署名し、クレジットで分割払いをした。後から解約しようとしても「解約できない」と言われ、トラブルとなった。このように、契約内容を十分に理解しないまま高額な契約を結んでしまう被害が起きている。
副業に関する被害では、「無料」「簡単に稼げる」といった言葉に安心して申し込んだ結果、実際には有料プランや追加費用を請求される事例がある。電話では「いつでも解約できる」と説明されていたにもかかわらず、解約を申し出ると解約料を求められ、説明と実際の対応が異なる点に不満を感じるケースが多い。
2..若い世代に法律知識が必要な理由
18歳になると法律上は成人となり、親の同意がなくても契約を結ぶことができる。その一方で、未成年者取消権が使えなくなり、「未成年だから」という理由では契約を取り消すことができない。
しかし、特定商取引法などの法律を知っていれば、クーリング・オフができる契約や、違法な勧誘に該当する場合があることに気づくことができる。法律は、知っていることで初めて自分を守る力になる。
高校生を含む若い世代は、社会経験が少ないため、魅力的な言葉や広告をそのまま信じてしまいやすい。だからこそ、契約の仕組みや解約・取消ができる条件など、基本的な法律知識を学ぶことが重要である。法律を学ぶことは、将来の消費者トラブルを防ぎ、自分の身を守ることにつながる。
⑤まとめ
このポスターでは消費者被害を防ぐために若年層が理解しておくべき法律知識について考察した。成人年齢の引き下げにより、18歳から親の同意なしで契約が可能になった一方で、美容や副業、インターネット取引を中心に、若年層を狙った消費者被害は依然として多く発生していることが分かった。特にSNSやネット広告をきっかけとした高額契約や詐欺被害は、経験の少ない若者ほど巻き込まれやすい傾向がある。
このような被害を防ぐためには、契約の仕組みやクーリング・オフ制度、特定商取引法などの基本的な法律知識を身につけることが重要である。法律を知っていれば、契約後であっても正しく対処できる可能性があり、被害を最小限に抑えることにつながる。また、「無料」「簡単」「必ず儲かる」といった言葉を疑う姿勢や、その場で契約せず一度考える習慣、相談先を知っておくことも重要な対策である。
さらに、これらの対策は学校での消費者教育だけに頼るのではなく、若年層が日常的に利用しているSNSを通じて情報を発信することも必要だと考える。TikTokやInstagram、YouTubeなどを活用し、分かりやすく身近な形で情報を届けることで、より多くの若者が消費者被害を自分事として捉えられるようになるだろう。
消費者被害は誰にでも起こり得る問題であり、正しい知識を持つことが自分自身を守る最大の手段である。若年層一人ひとりが消費者としての自覚を持ち、学び続けることが、被害を減らすことにつながると考える。
⑥残論点・今後の課題
このポスターでは
・どこまでが若年層の責任で、どこからが社会や企業が守るべきことなのか
・一度学んだ法律知識をどうやって忘れずに使えるようにするか
・日常生活でどう判断に結びつけるか
という課題が残っている