2026年度 鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校 3学年

探究テーマ
未来への架け橋を使いこなす
①テーマ設定の背景
玉龍高校には、未来への架け橋というスケジュール帳が全生徒に配布される。私自身、高校一年生の時は毎日きちんと家でその日を振り返って記入したり、計画を立てるときに利用したりできていた。しかし、高校二年生になった今、気づくと学校で架け橋を書いたり、勉強記録が不正確なものになってしまったりしていた。そこで、このテーマを設定することで、探究を通して未来への架け橋の存在意義や自身の計画性、自己管理能力の向上につなげていきたいと思ったから。
②仮説
RQ:未来への架け橋の使い方は、成績やモチベーションなどの心理状態にどのような影響をもたらすのか?
仮説:架け橋に日ごとや月ごとに計画を書いたり、日記のところにジャーナリングの要素を取り入れることで、計画性が身についたり成績が上がったり、ストレスの緩和につながるのではないか。
③調査方法
①ジャーナリングなどについての参考文献を読む
②アンケートを実施する(対象:赤学年の生徒 内容:架け橋の使い方)
③アンケート結果をまとめる
④高校1年時の自身の架け橋と成績を比較し分析する
⑤分析結果を踏まえ実際に実行してみる
⑥自身の成績の推移や心理状態の変化をみる
④結果・分析
10月 参考文献を読む
◎極アウトプット「伝える力」で人生が決まる / 樺沢紫苑
内容
・インプット→アウトプット→フィードバックの流れ
・体験したことはすぐにメモする癖を!!!
・言語化=思考力+分析力
大切にしたい考え
⭐3行ポジティブ日記
⭐ネガティブなことは書いてもOKだけど最後はポジティブで締める!!
ex) 今日は何もいいことがなかった。明日はきっといいことがある!
10月16日 架け橋についてアンケート実施
結果:現状として赤学年の架け橋の利用率は約50%(内訳 利用している:52% 利用していない:48%)
内容はその日の出来事を書いている人が過半数(56%)
勉強へのモチベーションは64%の生徒が上がったと感じている
ストレスの緩和は感じたことがない生徒が多かった(72%が感じないに回答)
生徒それぞれにとっての架け橋による効果は、「忘れ物が減った」や「計画を立てれるようになった」といった回答が多かった
生徒それぞれの架け橋記入の工夫は、「二分割して計画と実際を書く」や「色分けをする」などが多かった
分析:多くの生徒が架け橋の記入を怠るようになっている。しかし、その中でも自分なりに工夫して架け橋を利用している人も多く見られた。
10~11月 自身の高1時の成績と架け橋についての分析
〇架け橋の使い方
見返した時の第一印象は「カラフル」「ポジティブ」「計画」の3つだった。生徒会、部活、遊びで色を変えていて、テスト期間は二分割にして計画と実際を書き込んでいた。(この時は勉強時間を蛍光ペンで色付けていた)勉強時間は週1000分(訳17時間)を超えている週がほとんどだった。また、テスト期間には特に、主要3教科だけでなく、毎日少しずつでも5教科すべてに取り組んでいた。Today's Topicは基本的に前向きな言葉で締めくくられていた。(例)今週はやることたくさんで疲れたけど充実してて楽しかった。 など
〇成績(国数英3教科 4月実力~学年末考査までの点数の推移)
※( )の点数は各教科それぞれ2科目の総合点
現代の国語 91→84→※(141)→83→(156)→86 ⭐8割~9割安定
言語文化 88→88→(141)→85→(156)→89 ⭐8割~9割安定
英語コミュニケーション 92→87→(164)→91→(156)→97 ⭐9割
英語論理表現 94→92→(164)→89→(156)→87 ⭐約9割
数学前半 83→98→(114)→74→(160)→91 ⭐8割~9割
数学後半 77→67→(114)→66→(160)→91 ⭐約8割
〇分析結果
今現在の自分の架け橋と比較したときに、大きく差であると感じたのが「勉強時間」だ。最近は1000分を超える週のほうが少なくなってしまっていることに気づいた。そのほかは特に使い方で変わっていたところはなかった。今現在も成績が落ちているわけではないので、架け橋の使い方で成績が変わるというのは一概には言えないのかもしれない。分析結果から今の私に必要なのは「勉強時間の確保」であることが明確になった。
11月~1月 実際に架け橋の使い方を変えてみる
①3行ポジティブ日記の実施(11月~)
→思いつかない日があり少し継続は難しかった。しかし、書くことを探す際にいいことを思い出すので気分はよかった。たまに無性に自分の反省点を書きたいときがあり、ポジティブだけ書くことが正義ではないのかもしれないと思った。。
②テスト前に計画を作成(テスト期間)
→テスト前ラストの週末などは二分割にして計画と実際を書くようにした。計画を前日に立てておくことで翌日の動きがスムーズに行えたように感じた。計画の成果なのか、土日どちらも10時間勉強し、週末で20時間勉強することができた。
③テスト期間の勉強時間
→なるべく国数社理英の5教科を毎日勉強できるように心がけた。
〇成績
後期中間考査結果(国数英3教科 前期期末考査からの推移)
論理国語 84 ⭐ー8
文学国語 89 ⭐ー3
古典探究 89 ⭐ー5
英語コミュニケーション 92 ⭐+3
英語論理表現 95 ⭐+7
数学前半 89 ⭐+13
数学後半 81 ⭐+8
〇分析結果
テスト期間に計画を立てて取り組んだことで、初めてテスト前に週末に20時間勉強できた。(土曜日10h日曜日10h)国語が下がってしまったのは読書不足や基礎の脱落が原因だと思うので、まずは古典の単語や文法からはじめたい。架け橋を使うことで勉強時間が可視化されて、満足感や達成感を得ることができた。また、先生方からお褒めのコメントをいただけてモチベーションの維持にもつながった。
冬休み(12月末~1月初旬)未来への架け橋を使わずに生活
〇結果
日々の振り返りをする時間が無くなり、毎日同じようにダラダラと過ごしてしまい勉強時間が大きく減少してしまった。勉強時間だけでなく生活する上での時間間隔が変わってしまい、生活リズムの乱れにも影響した。
〇成績(1月実力考査 国数英それぞれ200点満点 10月実力考査からの推移)
国語 140(現代文59点 古典81点) ⭐+1点 ※現代文ー9点 古典+10点
数学 95 (前半55点 後半40点) ⭐ー38点
英語 168(実力74点 課題94点) ⭐ー12点 ※実力ー18点 課題+6点
〇分析結果
テスト期間に、まだ冬課題が終わっておらずテスト対策をまともにすることができなかった。古典の伸びや英語の課題編の伸びは日々の積み重ねが少しずつ結果に表れてきているのだと思う。しかし、そのほかの現代文や数学、英語の実力編に関しては、冬休みの過ごし方が如実に表れている。特に数学は10月実力考査の前は毎日行うよう意識していたが、今回は課題に追われて毎日数学をすることができなかったことで基礎知識がどんどん抜け落ちていき200点満点のテストで100点も取れないという悲惨な結果をもたらしたのだと思う。現代文に関しても、冬休み期間読書を一度もせず、スマホばかりの生活を送っていたがゆえの結果だと思う。架け橋を使わなかったことで、自身の学習の偏りや時間への意識が薄れ、結果的に成績が落ちた。
〇考察
高1時の架け橋の分析で「架け橋の使い方で成績が変わるというのは一概には言えないのかもしれない。」という分析に至った。しかし、今回のテスト期間の過ごし方やテスト結果を通して「未来への架け橋を利用するか否かで成績が多少は変化する」と言えるのではないだろうか。
⑤まとめ
今回の探究で「未来への架け橋の使い道が成績を左右するカギとなる」可能性があることが分かった。
実際、架け橋の記入を徹底していたころは成績は安定もしくは向上が見受けられたが、記入を怠った時期には成績が低下した。このことから、架け橋には自身の一日の過ごし方を振り返り、強化学習の偏りがないかを視覚的に認識することができるという特徴があり、利用することで生活習慣やバランスの取れた学習に取り組むことができると考える。
また、計画性についての仮設だが、もちろん、架け橋を利用することで計画性は身につくと考えられるが、今回の探究期間では「自分でまっさらな状態から計画を立てることができるほどの計画性」は身につけることができなかった。計画性は短時間で身につくようなものではなく、長い時間をかけて試行錯誤しながら磨かれていくものだと思う。つまり、高校1年生のころから架け橋で計画を立てることに慣れておけば、大学受験の計画も自分で比較的簡単に立てることができるようになると考える。
さらに、ストレスの緩和についてだが、架け橋に今日の良かったところだけでなく反省点を書くことで、先生方からアドバイスをいただくことができたり、書くことで自分の中で区切りをつけることができたりして、切り替えて学習に取り組めるようになったと感じた。よって、ストレスの緩和につながる使い方もあると言える。
⑥残論点・今後の課題
今後の課題として、「未来への架け橋の提出率・利用率を上げること」があげられる。また、今回は対象が私一人であり、データに信憑性が少ないため、「生徒全体を対象に架け橋の利用と成績」について調べるとより深い探究ができると思う。成績向上のカギを握る架け橋を使っていなかったり、書いても先生方に提出せず、先生と生徒間でのコミュニケーションが取れていないことは大きな課題だと考える。
提出率・利用率が低いことの原因として「パターン化された記入方法による飽き」や「記入時間を確保できない」ことがあげられると考える。よって、記入方法は指定せず(例:一日のスケジュールは勉強した時間だけ記録でOK、時間軸無視して計画書いちゃってOK)自由度を高くし、記入時間は夜書くのが理想だが書いてない人は朝の時間での記入を徹底することで少しでも提出率や利用率が上がるのではないかと思う。また、生徒たちに直接アンケートを実施し、架け橋への不満や改善点を聞いてみるのもいいと思う。