2026年度 鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校 3学年

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探究テーマ

心理学とオレオレ詐欺の関係

テーマ設定の背景

昔から心理学に興味があり、大学で人の心理などを学んでみたいと思っていたから。そして、先日祖母の家にオレオレ詐欺の電話がかかってきて、話し方に緊迫感があってつい引っかかりそうだったと言っていたから、オレオレ詐欺と心理学はなにか関係あるのでは無いかと考えたから。

仮説

オレオレ詐欺で心理学は利用されており密接な関係がある

調査方法

警察署の防犯パンフレットや心理学の入門書など、本やインターネットで心理学やオレオレ詐欺についてそれぞれ調べる。

「もしこんな電話が来たらどう思うか」「どんな話し方や内容だったら信じそうになるのか」を友人から高齢者まで色んな年齢の人に聞く。

その結果を元にどのような電話が一番引っ掛かりやすく、どのような話し方が焦るかを、具体的な心理学の名前とともにまとめる。

そしてどのような対策をしたらオレオレ詐欺に引っかからないかをまとめる。

結果・分析

心理学とは

心理学は 人間の心や行動のしくみを科学的に研究する学問です。
「なぜ人はこう感じるのか」「どうしてこういう行動をとるのか」を理論やデータを使って明らかにします。実験や統計により、人間の心や行動のパターンを科学的に扱う学問です。

心理学では、人が情報を処理する際に無意識で判断を偏らせてしまう認知バイアスが研究されています。これは「すべての情報を合理的に判断しているわけではない」という人間の思考のクセを表しています。

オレオレ詐欺について

以下は警察庁のどの情報を基にした現在のデータです。

2024年の特殊詐欺(オレオレ詐欺など)の認知件数は約21,043件、被害額は約718億円超えと、過去でも非常に多い数字になっています。

特殊詐欺の中でも オレオレ詐欺の件数・被害額が大きい割合を占めています。

被害者の年齢層変化(若年化の傾向)

過去は 主に高齢者が被害に遭ってきましたが、近年の傾向としては以下のような変化があります。警察庁統計でも 高齢者(65歳以上)の被害割合は依然高いものの、若年層の被害が増加している統計データが出ています。一部統計では、20〜30代の被害が増加し、全体の被害の中で割合が大きくなってきているという分析もあります。

オレオレ詐欺と心理学の深いかかわり

① 権威バイアス
人は警察・弁護士・銀行員・上司など、権威のある存在の言葉を疑いにくいという心理的傾向を持ってる

オレオレ詐欺との関係
犯人が「警察官です」「検事です」「金融機関の者です」と名乗ることで、被害者は本物だと思い込み、指示に従ってしまう。

➡ 警察官を名乗る詐欺が増えているのは、この心理を利用しているため。

② 緊急性効果
人は「今すぐ」「今日中に」と急かされると、冷静な判断力が低下

オレオレ詐欺との関係

「今日中に振り込まないと逮捕される」「すぐに手続きしないと大変なことになる」このように時間的プレッシャーをかけることで、考える余裕を奪い、詐欺を成功させる。

③ 感情ヒューリスティック
人は感情(不安・恐怖・安心)をもとに判断してしまうことがあります。

オレオレ詐欺との関係

「息子が事故を起こした」「孫がトラブルに巻き込まれた」と聞くと、恐怖や不安が強くなり、感情が判断を支配。

④確証バイアス
一度「これは本当だ」と思い込むと、都合の良い情報だけを信じ、疑う情報を無視する心理。

⑤ 服従心理

人は命令されると、それが不合理でも従ってしまうことがある

オレオレ詐欺との関係
「誰にも言わないでください」「指示通りに動いてください」という言葉に従い、周囲に相談しないまま被害が拡大。

正常性バイアス

「自分だけは大丈夫」「まさか自分が被害に遭うはずがない」と思ってしまう心理。

オレオレ詐欺との関係
警告を聞いていても「これはニュースの話」「自分には関係ない」と考えてしまう

私たちが高齢者のためにできる具体的な取り組み

① 家族の高齢者に「詐欺対策ミニ講座」をする(正常性バイアスへの対策)

「電話でお金の話=詐欺」と一言で伝える、実際の詐欺のセリフを読み上げてみる

「自分は大丈夫」という思い込み(正常性バイアス)を弱める。

② 家族で「合言葉」を決める

家族全員が覚えられる合言葉を1つ決める

電話で家族を名乗られたら必ず合言葉確認

③ 電話のそばに「行動カード」を置く

(緊急性効果・服従心理への対策)

紙に大きく書く:① 電話を切る② 家族に電話③ #9110 に相談
電話機の横や冷蔵庫に貼る

まとめ

オレオレ詐欺は認証バイアスや正常性バイアスなど、人間の心理特性を巧みに使っている。心理学の視点から見ることで人がなぜ騙されるのかを理解し、被害防止につなげることができる。

私たち中高生でも、高齢者に心理学をもとにした具体的な行動ルールを伝えたり、相談しやすい関係を作ったりすることで、オレオレ詐欺の被害を減らすことができると考えた。

残論点・今後の課題

今回の調べ学習を通して、心理学の理解が被害防止に役立つことが分かった。一方で、知識だけでは十分ではなく、行動につなげる工夫や、個人に合った対策、継続的な取り組みが今後の課題である。私たち若い世代も地域の一員として、詐欺防止に積極的に関わっていく必要がある。

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