2025年度 長崎県立諫早高等学校 3学年

2025年度 長崎県立諫早高等学校 3学年

Logo

探究テーマ

資料検索機を用いて、誰もが素早く目的の本にたどり着くようにするためには、どのような点を改善すればよいか?

テーマ設定の背景

高齢者や初心者にとっては、現在OPACは使いづらく、デジタルデバイドが発生しているのではないかと思ったから。

仮説

フォントのサイズやレイアウト、使われる言葉などを分かりやすく工夫すれば、誰もが使いやすい資料検索機になるのではないか

調査方法

調査は三段階に分けて行った。
①デザイン情報の収集と整理

諫早図書館で、無作為に選んだ図書館利用者を対象に、アンケートとインタビューを行った。

②デモの作成

アンケート、インタビューの結果をもとに、デモを作成する。

③デモの評価

作成したデモを、司書の方々に評価していただく。

結果・分析

諫早市立図書館の利用者を対象に、アンケート調査(85件回収)および対面インタビュー調査(32件回収)を実施した。アンケート回答者は10代から80代まで幅広い年代にわたった。

現行の資料検索機(OPAC)について、約4人に1人が「使いづらさ」を感じていることが明らかになった。「使いにくい」という回答は年代が上がるほど多くなる傾向が見られ、年齢との相関がうかがえた。

主な不満点として、アンケートでは「文字の入力がしづらい」という回答が最も多く、特に30代以降の層で見られた。次に多かったのは「文字が小さくて読みづらい」であった。

インタビューでは、入力方法に関して「フリック入力に対応してほしい」(10代・30代)、「50音の一覧ボタンは入力しづらい」(10代)など、スマートフォンと異なる入力方式への不満が挙がった。

検索エンジンについては「正確に言葉を入力しないと検索結果に表示されない」(10代・60代)という、検索の柔軟性に関する指摘があった。

本棚への案内に関しては「地図がわかりにくい」(0代)、「本の場所を具体的に知りたい」(30代・50代)など、検索後の案内機能への要望が多く聞かれた。

これらの調査結果から明らかになった「文字の入力がしづらい」「フリック入力に対応してほしい」といったニーズに応えるため、直感的な音声入力機能の追加、フリック入力への対応、表示される文字数を減らし文字サイズを拡大する、という解決策を盛り込んだデモを作成した。

調査結果に基づき作成した改善デモを、諫早市立図書館の司書の方々に評価していただいた。

評価された点として、「画面がすっきりして見やすい」「ごちゃごちゃしていない」など、デザインの分かりやすさ(視認性)は高く評価された。

一方で、シンプルさを追求するあまり、「種別検索」や「出版日検索」といった必要な機能が不足している点、検索結果の件数表示がない点、検索ボタンがなく操作に迷う可能性がある点など、機能性に関する指摘も受けた。

まとめ

「フォントのサイズやレイアウト、使用される言葉などをわかりやすく工夫すれば、誰もが使いやすい資料検索機となる」という仮説を立てた。

作成したデモの評価結果から、デザインの分かりやすさ(視認性)は高く評価され、この点において仮説はある程度正しいことが証明されたと言える。

しかし同時に機能面での課題も指摘された。

「使いやすさ」とは、単に見た目をシンプルにすること(視認性)だけでは実現できず、利用者の多様なニーズに応える「機能性」とのバランスをいかに取るかが鍵である、という結論に至った。

残論点・今後の課題

今回の研究とデモ評価を踏まえ、今後はまず、司書の方々から指摘された必要な機能(種別検索、出版日検索、件数表示など)を再検討・追加し、利用者の誘導を強化するデモの改善に取り組む。

次に、ニーズが大きかった本棚への案内について、「本棚への道筋を表示する仕組み」の導入や、「ストリートビューのようなアニメーション」での表示を検討する。

さらに、諫早市立図書館以外の図書館でも利用者や司書への聞き取り調査を行う調査の拡大も予定している。

そして、実際の利用者に改善したデモを使用してもらい、評価と改善を継続していく。

今回の研究を通して、「ユニバーサルデザイン(誰もが迷わず使えるシンプルなデザイン)と、多くの選択肢(熟練した利用者が求める高度な機能)を、どのように両立させて実装できるのか?」という、より本質的な問いが生まれた。この両立の探求が、今後の重要なテーマとなる。

TimeTact Logo

Copyright 2025年度 長崎県立諫早高等学校 3学年 © 2026 All rights reserved