2026年度 広島文教大学附属高等学校 3学年

探究テーマ
幼少期からスマホを使う子供が増えている
①テーマ設定の背景
・自分が小さい時とは常識が違うと思い気になった
→特に自分はスマホを持った時期が周りに比べて遅かったため、今では小さな子供がスマホを持っていることに驚いた
・子供に情報通信機器を使わせる親側はどんな理由を持っているのか疑問に思った
②仮説
乳幼児が情報通信機器を使うことは完全に悪いことではないのではないか
※この探究での「乳幼児」とはおおよそ0〜6歳児くらいと定義する
③調査方法
インターネットで調べる
・「乳幼児 スマホ利用」などのキーワードを基に、項目によって「現状」「問題点」「理由」などのキーワードを適宜追加して再検索する
・一つのサイトだけでなく複数のサイトを見比べて情報の信憑性を確認した上で引用する
④結果・分析
①乳幼児の通信機器利用の現状
・2018年時点で0歳児の約23%がスマホを利用していた(https://dentsu-ho.com/articles/6363)
・スマホだけに限定せずにパソコンやタブレット等も含めると、2017年時点で1歳児の約4割、3歳児の約6割が情報通信機器の利用経験があった(中村学園大学・中村学園大学短期大学部 研究紀要 第50号 乳幼児のスマートフォン使用の現状と保護者の意識からみる課題と今後の取り組み 桧 垣 淳 子))
→しかしこれは少し昔のデータであるため、情報社会の今、現在はこれらの割合がもっと高いと思われる
②乳幼児のスマホ利用のデメリット
・コミュニケーションの減少…子供がスマホやパソコン、テレビなどに夢中になりすぎるあまりに親や周囲とのやり取りが減り、対話力が上がらない、感情表現が上手くならない、言語発達の遅れなどの可能性がある(https://note.com/aomori_itsupport/n/na9e04eb6d830
→実際に、テレビやビデオの視聴時間が長いほど発言遅れが発生しているという調査結果もある(第64回日本小児保健協会学術集会 教育講演 IT の功罪:電子メディアの子どもへの影響とその対応 佐 藤 和 夫)

・視力低下
乳幼児も私たちと同じように、スマホやタブレットの影響で視力低下が起こる
WHO(世界保健機関)は2019年に、子供のデジタル機器の使用についての提言を出している
→「2歳まではデジタル機器の利用は推奨されない」「2〜5歳まではデジタル機器の利用時間は1時間以内とし、より少ない方が好ましい」(https://www.889100.com/column/column103.html)
③情報通信機器を見せる・使わせる主な理由
・子供が泣いたりぐずったりした時の親の負担が減る、親が自分の時間を取れる(https://jp.moony.com/ja/tips/taikendan/taiken96-02.html)
・防犯のため
・ひらがなや英語などの勉強のため(https://tone.ne.jp/column/education/children-smartphone/)
④乳幼児のスマホ利用のメリット
・親の負担軽減…公共の場で静かにしてほしい時や親が家事などでどうしても手が離せない時などに、子供が集中してくれ、やることを済ませることができる
→実際にこの目的で利用している親も多い
・知識が身につく…中には専門家などが監修している教材もあり、教材を使うことで子供が実際に行動に移すことにも繋がる(https://www.mama-no-wa.jp/blog-smartphonechildcare/)
・デジタルならではの学習…本来では行けないような海の中や宇宙などを詳しく見れるなど、実際にそこに行ったかのような体験ができ、興味・関心の幅を広げることにもなる(https://benesse.jp/kosodate/202008/20200823-1.html)
⑤まとめ
今回の探究では、「幼少期からの通信機器利用が増えている」という現状に対して「それは完全に悪いことなのだろうか」という仮説を設定し、情報の信憑性を確認したうえでインターネットで調査した。
その結果、現在日本では0歳児の23%がスマホ利用経験があるなど高い利用率にあることが分かった。

親目線で子供に通信機器を使わせている主な理由としては、子供の面倒を見る親の負担を減らすためや防犯のため、子供の教育のためなど、各家庭にそれぞれの理由があった。
子供に情報通信機器を使わせることにはメリット・デメリットがそれぞれあり、デメリットには周囲とのコミュニケーションが減少することにより対話力が向上しないこと、言語発達の遅れ、視力の低下などがあり、メリットには親の負担軽減、子供の知識や興味関心を広げることなどがあった。
これらの調査結果を踏まえて私は、情報通信機器は正しい使い方をすれば、親を手助けしてくれる良い子育て道具として役立てることができると考えた。実際に、既に育児に有効活用できるさまざまなツールやアプリ、情報などが数多く提供されている。スマホなどを使わせること自体が完全にだめなのではなく、現代社会に合わせて考え方を見直してみる必要がある。
⑥残論点・今後の課題
今回の探究では仮説を少し曖昧に設定してしまった故に結論を出すことが難しくなってしまい、具体的な解決策などを出すことができなかった。もちろんいい点も悪い点もあるとは思うが、次回は今回よりも仮説を具体的に設定して深い探究にしていきたい。
また、乳幼児が通信機器を使うことについて良いことと捉えるか悪いことと捉えるかは、人によってそれぞれさまざまな考え方があると思う。次この課題について探究するときは周りの人にアンケートを取るなどして、この現状についてどのように捉えている人が多いのか等、世の中の意見をより詳しく把握して取り組みたい。
さらに調べていくうちに、「本当は使わせたくないが電車の中で仕方なく使わせることがある。しかし、その場面だけを見て『スマホ育児だ、よくない』という声を浴びせられたことがある。普段からずっと使わせているわけではないのに、一部だけで判断されたことが悲しかった」などというエピソードを見かけた。このように、スマホの利用に対する認識は変わりつつあるが、世間ではまだまだ固定概念が根強く残っているのかもしれないと分かったため、次の探究ではこのようなことも内容に含めて調べていきたいと思った。
今回の探究と繋げつつ、これからの日常生活に生かせるような探究をもっと深めていきたい。