2026年度 広島文教大学附属高等学校 3学年

2026年度 広島文教大学附属高等学校 3学年

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探究テーマ

学校のゴミ箱から考える ”ゴミ分別の実態”

テーマ設定の背景

学校の美化委員会顧問として、学校の美化活動にかかわる場面が多くある。日常的には、清掃用具の整備やゴミステーション内のゴミ確認、イベントの際にはゴミ箱設置及び回収・撤去などを担うことがある。そんな中、ゴミの分別が出来ていない場面に遭遇することが増えたように感じる。なぜ分別が適切に行われないのか、正しい分別方法を知らないのか、それらを自分なりに調査し考えたく、探究活動として設定した。

仮説

仮説として、2点挙げる。

1点目は、ゴミ分別が習慣としてないということである。地域によっては、ゴミの分別が不要で、全てをひとまとめにする地域もある。そこで育った場合、分別をするということ自体が習慣としてないため、分別が出来ないということだ。

2点目は、分別するためのシステムが構築されていないということである。各クラスのゴミ箱を確認すると、全てをひとまとめにするしかない状態となっている。もちろん、ペットボトル等のゴミは自販機横のゴミ箱を使用することは理解しているものの、燃えるゴミと燃えないゴミの明確な違いはなくなっている(弁当容器など、汚れたものであれば全て燃えるごみの対象となるため、その点で差が無くなっている)。そのシステムのせいで、まとめて捨ててしまうことの利便性に気付き、分別することが曖昧になっているのではないかと考える。また、そもそも資源ごみと燃えるごみの違いや金属類・電池などを捨ててはいけないという事実を知らないということも、分別が出来ないことに繋がっているのではないかと考える。

調査方法

調査方法①

掃除時間中に廃棄されるゴミを調査し、どれだけ適切に分別がなされているか、実態調査する。

・調査期間は1か月間、5/1~5/31。

・調査対象は、各クラスから持ち寄られるゴミ箱に加えて、トイレや特別教室等からのゴミ箱についても対象とする。

調査方法②

アンケート調査にて、自身が住む地域のゴミ分別の実態について調査する

・質問項目としては以下の通り

⑴ 自身が住む地域(寮生の場合は実家)では、ゴミの分別がされていましたか。

⑵ 小学校や中学校では、ゴミの分別について徹底されていましたか。

⑶ 次に挙げるゴミは何ゴミになるか、選んでください。 汚れたコンビニ弁当容器(プラスチック製)

調査方法③

広島県のゴミ収集に関する情報を広島市役所に連絡し、尋ねる。

広島市役所 〒730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目6番34号 代表電話:082-245-2111

質問内容は、「ゴミ分別の実態」・「地域による分別方法」について

調査方法④

インターネット調査を行い、ゴミ分別に地域差があるのはなぜかについて調べる。

結果・分析

調査方法①

掃除時間中に廃棄されるゴミを調査し、どれだけ適切に分別がなされているか、実態調査する。

調査結果①

ゴールデンウィークを除く登校日を対象とした。教室やトイレ等のゴミについては大体分別が出来ていたように思うが、燃えるゴミと燃えないゴミの分別に関してはあまり意識されていないように感じた(食べ終わった弁当容器の中にティッシュや割りばしなどが入れられていたことから推測)。課題と感じたのは、自販機横のペットボトル専用ゴミ箱及びアイスクリーム専用ゴミ箱である。それぞれ「専用」とされているにもかかわらず、それら以外のゴミが捨てられていたという事実は、単純に「分別方法が分からない」ではなく、「面倒だ」「ここに捨てることが楽だ」という、システムの問題等も関わっているのではないかと考えられる。

調査方法②

アンケート調査にて、自身が住む地域のゴミ分別の実態について調査する

調査結果②

⑴ 自身が住む地域(寮生の場合は実家)では、ゴミの分別がされていましたか。

大体の地域で分別がなされていたことが分かった。一部、安芸郡府中町などはゴミの分別がないという声もあり、習慣化されていない可能性もあることが分かった。

⑵ 小学校や中学校では、ゴミの分別について徹底されていましたか。

燃えるゴミと燃えないゴミの分別はあったということであった。その場合、教室に二つ以上のゴミ箱があり、張り紙がなされていたとのことであった。

⑶ 次に挙げるゴミは何ゴミになるか、選んでください。 汚れたコンビニ弁当容器(プラスチック製)

回答としては、可燃ごみ・不燃ごみ・リサイクルプラ等があった。汚れているから可燃ごみ、という回答もあったものの、回答数としては多くは無かったため、理解が浸透しているかどうかまでは不明である。

調査方法③

広島県のゴミ収集に関する情報を広島市役所に連絡し、尋ねる。

広島市役所 〒730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目6番34号 代表電話:082-245-2111

質問内容は、「ゴミ分別の実態」・「地域による分別方法」について

調査結果③

電話連絡にて、上記の質問項目について尋ねてみた。回答としては、いくらか分別が出来ていない項目があるとのことだった。例えば、リサイクルプラとその他プラの区別が出来ていない、充電式電池の取り外せない小型電化製品のゴミの出し方、電池など、普段はあまり捨てる機会がないものについては曖昧になっているとのことだった。また、2026年度4月より不燃ごみの出し方が変わっていることもあり、まだまだ浸透していないことも原因の一つではないかとの回答であった。

地域による分別方法については、広島市のHPに記載があるとのことであった。また、家庭ごみの出し方として、以下に示す画像のように、各家庭に配布されている資料を基に分別や回収日時を確認していただきたいとのことであった。

調査方法④

インターネット調査を行い、ゴミ分別に地域差があるのはなぜかについて調べる。

調査結果④

以下のHPにゴミ分別に関する情報が掲載されていたため、引用する。

引用先  ゴミの分別、地域で違うのはなぜ?厳しい分別と大雑把な分別、その違いを解説 - 不動産買取相談所

テーマの基礎知識ゴミ分別の目的と種類

ゴミの分別は、大きく分けて「資源の有効活用」と「環境への負荷軽減」という2つの目的があります。
それぞれの目的を達成するために、様々な種類のゴミが分別されています。

資源の有効活用: リサイクルできるものを分別することで、新たな資源を採掘したり製造したりする量を減らすことができます。
これにより、エネルギー消費を抑え、環境への負荷を軽減することに繋がります。例えば、ペットボトルを分別することで、再びペットボトルとして生まれ変わらせたり、衣類やプラスチック製品などにリサイクルすることができます。

環境への負荷軽減: ゴミを適切に分別することで、焼却時の有害物質の発生を抑制したり、埋め立て地の容量を節約したりすることができます。
例えば、燃えるゴミからプラスチックを分別することで、焼却時に発生するダイオキシンなどの有害物質の量を減らすことができます。また、埋め立てられるゴミの量を減らすことで、最終処分場の寿命を延ばすことができます。

ゴミの分別方法は、大きく分けて以下の4つ

可燃ゴミ: 燃えるゴミ。生ゴミ、紙くず、木くずなど。

不燃ゴミ: 燃えないゴミ。金属類、ガラス類、陶磁器など。

資源ゴミ: リサイクル可能なゴミ。新聞、雑誌、段ボール、ビン、缶、ペットボトルなど。

粗大ゴミ: 大きなゴミ。家具、家電製品など。自治体によって出し方が異なります。

なぜ地域で分別方法が違うのか?

地域によってゴミの分別方法が異なるのは、主に以下の3つの要因が影響しています。

1. リサイクルへの取り組み方の違い: 各自治体の方針によって、リサイクルにどれだけ力を入れているかが異なります。リサイクルに積極的な自治体ほど、分別項目が多く、細かくなる傾向があります。例えば、プラスチックを細かく分別するのは、リサイクルできるプラスチックの種類を増やすためです。

2. ゴミ処理施設の能力の違い: 各自治体が持つゴミ処理施設(焼却場、リサイクル施設など)の設備や処理能力によって分別方法が変わります。
高度な設備を持つ施設では、より多くの種類のゴミを処理できるため、分別項目を細かく設定できる場合があります。

3. 住民の意識と協力度合い: ゴミの分別は、住民の協力が不可欠です。住民の分別に対する意識が高く、積極的に協力してくれる地域では、より高度な分別が可能になります。逆に、分別に対する意識が低い地域では、大雑把な分別方法を採用せざるを得ない場合があります。

まとめ

調査では、学校内での実態調査、アンケート調査、行政への聞き取り調査、インターネット調査の4つの方法を用いて、ゴミ分別の実態と課題について多角的に調べた。

 まず、調査方法①より、教室やトイレなど一般的な場所では、ある程度ゴミの分別は行われていることが分かった。しかし、燃えるゴミと燃えないゴミの違いについては十分に意識されているとは言えず、弁当容器の中にティッシュや割りばしが混在して捨てられている様子が確認された。このことから、「分別する意思がない」というよりも、「細かい分別基準を理解していない」「一つのゴミ袋にまとめた方が楽」といった心理的要因が影響していると考えられる。

 特に問題として挙げられたのが、自動販売機横に設置されたペットボトル専用ゴミ箱やアイスクリーム専用ゴミ箱である。「専用」と明記されているにもかかわらず、他のゴミが捨てられていた点から、単なる知識不足だけでなく、「近い」「分別するのが面倒」というゴミ箱の設置場所や回収方法といったシステム上の問題も分別の妨げになっている可能性が高い。

 次に、調査方法②のアンケート結果より、多くの家庭や地域ではゴミ分別が行われていることが分かった。しかし、一部の地域では分別がほとんど行われていないという回答もあり、地域差が存在することが明らかになった。また、小中学校では「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」の基本的な分別指導はなされていたが、それ以上に細かい分類については扱われていない場合が多く、高校生になってから判断に迷う要因の一つになっていると考えられる。

 「汚れたコンビニ弁当容器(プラスチック製)」についての設問では、可燃ごみ・不燃ごみ・リサイクルプラなど回答が分かれた。この結果から、分別の理解が人によって異なり、必ずしも正確に浸透しているとは言い切れないことが分かった。

 調査方法③の広島市役所への聞き取り調査からは、行政側も分別が十分に徹底されていない現状を把握していることが分かった。特に、リサイクルプラスチックとその他プラスチックの違いや、充電式電池を含む小型電化製品の処分方法など、「日常的に捨てる機会が少ないゴミ」ほど分別が曖昧になりやすいことが指摘されていた。さらに、2026年4月から不燃ごみの出し方が変更されていることも、周知不足により混乱を招いている一因だと考えられる。

 調査方法④のインターネット調査からは、ゴミ分別に地域差が生じる理由として、自治体のリサイクル方針、ゴミ処理施設の能力、住民の意識と協力度合いという3つの要因があることが分かった。これらの要因は、アンケート調査や行政への聞き取り結果とも一致しており、分別の問題は個人の意識だけでなく、地域や制度全体の影響を大きく受けていることが明らかになった。

 以上のことから、学校内でのゴミ分別を改善するためには、

分別方法を分かりやすく示した掲示の工夫 ゴミ箱の設置場所や数の見直し 分別の理由や目的を伝える継続的な啓発といった、分別しやすい環境づくりが重要であると考えられる

残論点・今後の課題

①「分別できない」の主因は何かの特定

知識不足なのか、面倒くささ(手間・時間)の問題なのか、ゴミ箱の配置・数・表示など環境要因なのか

現状では複数要因が推測されており、どれが最も影響しているかは明確になっていない。

② 分別ルールの「理解」と「実践」のギャップ

正しい分別方法を「知っている」人でも、実際には守れていない可能性がある。知っているが守らないのか、そもそも知らないのかの切り分けができていない。 知識レベルと行動レベルの関係性は未解明である。

③ 年代・経験による意識差の有無

小中学校での分別教育が現在の行動にどの程度影響しているのか。地域差のある分別経験が、学校での分別行動にどう影響しているのか。

過去の教育・生活経験と現在の分別意識の関係は深掘りできていない。

④ 表示・掲示の「分かりやすさ」の検証不足

ゴミ箱の表示は本当に誰にでも理解しやすいか。文字だけでなく、色・イラスト・実物例などの工夫が有効か。

表示方法の違いによる分別率の変化は未検証である。

⑤ 校内システムとしての改善効果の検証

ゴミ箱の配置変更や掲示改善を行った場合、本当に分別は改善するのか。一時的改善ではなく、継続性があるのか。

具体的な改善策の効果測定が今後の課題である。

⑥ 行政ルール変更の周知方法の妥当性

2026年度からの不燃ごみルール変更が、なぜ浸透していないのか。情報伝達の方法(HP・配布物)が十分かどうか。

行政から住民・生徒への情報伝達のあり方は再検討の余地がある。

ゴミ分別の問題は「知識の不足」だけでは説明できず、人の心理・行動特性と、分別しやすさを左右する環境や制度の設計がどのように影響しているのかという点が、今後の最大の論点である。

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