2026年度 広島文教大学附属高等学校 3学年

探究テーマ
AI イラストの正しい活用法
①テーマ設定の背景
スマホが身近な存在になった現代の日本人にとって,SNSに関わる機会というのは少なからずあると思う。SNSは自分の好きなことを誰でも簡単に発信できるツールだ。
ジャンルは様々だが,今回私が目をつけたのはイラストの投稿だ。手描きのイラストが投稿されているのはもちろん,その他にAIを使ったイラストが問題になっている。これは,AIイラスト自体が問題視されているのではなく,その使い方に問題があるのだ。具体的な例を挙げるとすれば,AIイラストの自作発言,他者のイラストをAIに学習させる,営利目的で使用などがある。こういったAIイラストを悪用する人達のことを知り,AIイラストは本来どう活用すべきなのか疑問に思った。私の今の印象では,AIイラストに対して余り良い印象はなく,他にもそう思っている人がいると思った。以上のことから私はAIイラストの良さを見つけたいと思った。
②仮説
①AIイラストだと明記した上で利用する
AIイラストだと明記するかしないかで,同じAIイラストであっても印象が変わってくると思った。
▶︎AIイラストだと明記する場合
…AIイラストだと理解した上で投稿の内容など,イラスト以外の部分で楽しめる(実際にAIイラスト+加筆だと明記されているアカウントの投稿が話題 になった例もある)
▶︎AIイラストだと明記しない場合
…AIイラストだと知らない場合,AIイラストの特徴を理解している人なら気付く可能性もあるが,当然気付かない人も出てくるだろう。そのとき,知ったときの落差が生まれ,投稿を見た人が不快に感じてしまう
②個人的な範囲で利用する
自分で描いたり,表現したりできないものをAIイラストで生成したり,参考にしたりする。
③調査方法
インターネットでの調査を行う
…論文,…etc
④結果・分析
主に論文「画像生成AIについてのクリエイターの賛否は割れている」を参考に結果をまとめた。(※2023年9月に行われた調査)
◯画像生成AIに対するクリエイターの賛否
クリエイター全体としては賛否両論▶︎SNSで批判的な意見が目立つのは,批判者の方が声を上げやすいためである。また,画像生成AIの利用者が増えるにつれて意見は変わっていく可能性がある。
▶︎肯定的な評価
…創造の新しい可能性を開く
▶︎批判的な評価(大きく分けて2種類の意見がある)
…1つ目の意見は入力側の“学習”にともなうもので,他人作成した画像を無断で対価も払わず学習使うことは問題だという批判
2つ目の意見は出力側の“生成”にともなうもので,画像生成AIがすでにある画像の著作権を侵害する(いわゆる「パクリ」画像の生成)という批判と,さらに
そもそも画像生成AIで作成された画像には創造性はなく著作権を認めるべきではないという批判
◾︎画像生成AIの利用者像(1042人を対象にアンケートを実施)

上記のグラフから,画像生成AIを使っている人…27%(日常的に使っている…12%,時々使っている…9%,たまに使う…6%[クリエイター全体のなかでの分の1])一方で,画像生成AIを知っていて使っていない人…53%(使ったことはあるが数回使った程度…7%,使ったことはないが,AIによるイラストを見たことはある…46%),その他…20%(使ったことはないし,AIによるイラストを見たこともない…9%,画像生成AIはなんのことであるかわからない…11%)と読み取ることができる(※画像生成AI利用者…279人,画像生成AI非利用者…555人として分析を行う)。
◾︎利用者の傾向
・若年層…新しい技術に適応しやすいため(20代クリエイターと50代クリエイターの利用率には13.2%の差がある)
・男性…IT技術に強いという傾向だけでは説明できないため理由は不明(女性と比べて14.5%と,かなりの差がある)
・所得の高い人…画像生成AIを使いこなすにはかなりのパソコンスペックが必要で,投資を必要とするため,また,オンライン上でも,多数の画像を生成する
ようなサービスは有料のものが多いため
・大卒…パソコンのスキルや英語文献などへのアクセスが必要で,一定の教育レベルのある人の方が利用しやすいため
◾︎著作権についての知識の影響
…著作権知識を正しく持っている人は画像生成AIを使わない傾向にある
◾︎画像生成AIを使う目的

上記のグラフから,「画像生成AIで(公表する)作品をつくるため」,「画像生成AIを自分の創作品の素材として使うため」といった目的では,利用者が画像生成AIで生成した画像が世の中に出てくる。しかし,「自分の創作のヒントや参考にするため」,「画像生成AI自体が面白い」といった目的では,画像生成AIが生成した画像が世の中に出るわけではない。
▶︎生成した画像が利用者の手元にとどまる場合…仮に既存の画像と類似した画像が生成された場合であっても,私的複製の範疇となり,著作権侵害の度合いは
低くなる
⑤まとめ
⑴設定した課題…AIイラストの正しい活用法
⑵情報の収集…インターネットでの調査(主に論文を参考)
⑶結果・分析
◯調べる前,調べた後の変化
▶︎AIイラスト(画像生成AI)に対する印象として,圧倒的に批判的な意見が勝っているものだと考えていたが,賛否両論だった
→批判的な意見が目立っていたのは,批判的な意見の方が発信しやすいためだった
▶︎AIイラスト(画像生成AI)の扱い方として,自分の創作のヒントや参考にしたり,画像生成AI自体を楽しむといった,著作権侵害に引っかからない使い方,
つまり,個人的な範囲で使用するのが好ましいと考えた
⑥残論点・今後の課題
私の探究に不足しているのは,情報の信憑性だ。アンケート・インタビューを行わず,ネットの情報だけに頼った事によりそれが事実なのかどうかの証明が出来ない。また,主に既存の論文を引用・参考にしたため,探究というよりももうすでに調査済みの内容をまとめただけになってしまった。
それを解消する為,アンケート・インタビューの他に,生成AIに関する論文や探究フィードバックに書かれているように,AIイラストを提供している企業のガイドラインを調べるなどしたいと思った。