2026年度 広島文教大学附属高等学校 3学年

探究テーマ
洋楽の翻訳における誤解と日本人の英語スキル問題について
①テーマ設定の背景
インターネットに溢れる洋楽の翻訳動画は何故意味合いがそれぞれ全く異なるのかに焦点を当てた
好きな洋楽を見つけた際、歌詞の意味を知ろうと人々がとる行動はYouTube等の動画投稿サービスで該当する洋楽の翻訳動画を探して見る。英語を知らない人でもすぐに自分の分かる言語で訳された翻訳動画は、一見すると素晴らしいが一部の翻訳動画は、
"直訳が多い" "意味合いが微妙に異なる" "意味を履き違えている"等の問題が発生している
日本人は小学校から英語を学んでいるはずなのにも関わらず何故、英語の歌詞を汲み取れないのか疑問に思ったのがテーマ設定の背景です。
②仮説
仮説は3つ
1つ目は[ネイティブ英語を知らないから]
2つ目は[外国人と話す機会が少ないから]
3つ目は[日本の英語授業は他の国に比べて勉強方法が遅れているから]
③調査方法
インターネットで情報を集める
調査方法1️⃣
YouTube TikTok 等の動画投稿サービスで投稿されている同じ洋楽翻訳動画を探して翻訳の仕方を比較する
調査方法2️⃣
比較した翻訳を分析する
⚫︎英語の文脈を取れているか
⚫︎不自然な日本語がないか (抜き言葉など)
⚫︎間奏に訳を入れているかどうか
⚫︎直訳の有無
インターネットで何故文脈がそれぞれ異なるのかを調査する
④結果・分析
調査方法1️⃣
YouTube TikTok 等の動画投稿サービスで投稿されている同じ洋楽翻訳動画を探して翻訳の仕方を比較する
調査結果①
YouTube TikTok に投稿されている二つの動画を比較した。どちらも大まかな意味合いは取れており不自然に感じる部分は少なかった。課題の目標にしていた様な翻訳動画は見つからなかった。しかしどちらも同じ意味ではあるが言葉の選び方に大きな違いを感じた。これは投稿者自身の語彙のレパートリーなどが関係しているように思う。
調査方法2️⃣
比較した翻訳を分析する
英語の文脈を取れている。不自然な日本語がないかの確認...
調査結果②
調査結果①でも前述したように、全体的に翻訳は自然で簡単な意味合いは訳すとこができている。しかしスラングや英語特有の言葉遊びは日本語に翻訳するのが難しいためか主語のない歌詞だったり名詞を繰り返す歌詞があった。日本語+カタカナ英語の歌詞も多く見られた。
📌最終結果
どの動画投稿サービスも洋楽の全体的な意味を知るには十分な翻訳である。しかしアーティストが意図して組んだ文脈などは、翻訳が難しく不自然な日本語になる場合がある
翻訳動画は個人が趣味の一環で作るために英文の理解が乏しかったり、無理矢理な翻訳が多い
⑤まとめ
今回の調査では、動画投稿サービスに存在する洋楽翻訳動画の投稿者ごとの和訳の差異を調べた。
YouTubeとTikTokのどちらも曲の意味を知るという意味では目立つ誤訳はなく、大まかな内容は理解できる翻訳となっていた。投稿者ごとに言葉選びが異なりそれぞれの違いが楽しめた。
しかし、全て完璧とは言いにくく英語の文脈が取れていない、曲の雰囲気に合わない言葉使い、カタカナ英語の多用が見られた
これは、日本語の遠回しな言葉遣いと英語の結論を先に置く言語の使い方的な問題が絡んでいると感じました。

⑥残論点・今後の課題
なぜ誤訳は無くならないのか?
私は日本の英語教育に問題があるのではないかと考えています。日本では小学校から英語学習を取り入れていますが、実際に英語を完璧に理解できる人は少ないです。国際語学教育機関の調査によると2025年時点で、英語を母語としない123カ国のうち日本の英語力は96位とかなり低い順位となっています。
2011年の時点では14位と高い順位でしたが、なぜ我々日本人は英語を話せなくなってしまったのでしょうか?

https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02620/
私達が学んだ英語は単語や決められた言葉の使い方等がありますが、いざ海外の会話を聞いてみると私たちが習った英語はあまり使われずネイティブ英語を知りません。既存の言葉の略称やスラングは学校では習えず"外国人の友達から聞いた""旅行に行って知った"等の外部の情報からでしかネイティブ英語を習えません。
では、私達はどうすればネイティブ英語を話せるようになるのでしょうか?
解決策として挙げられるのは3つ
1つ目は[英語に対する意識を変えること]です。
日本人は間違えることに非常に敏感で、間違える=悪い事と考えがちです。この考えが英語能力向上の邪魔をしていると私は考えています。
学校では間違えてもいい間違えることの大切さを学生に教えることを学べる場を設けて、意識から変えることが大事だと感じます。
2つ目は[話す・聞くを増やす]です。
私が今まで受けてきた英語の授業は教科書をひたすら読み、先生の発言を聞くの繰り返しで一対一で英語で会話する機会はほとんどありませんでした。毎日同じ英文を読んで聞いてばかりでは応用が効きません。応用を効かせるためにはAIとの会話アプリを活用して一対一の会話に慣れるのがいいのではないでしょうか。AIであれば相手の顔を気にせずに話すことができます。日本人には凄く相性の良い学び方だと思います。
3つ目は[英語をより身近な存在にする]です。
私たちは普段英語に触れる機会が少ないのです。アメリカやカナダなどの移民の多い国では、必然的に多言語環境になりやすくコミュニケーションを取るために世界共通言語である英語への関心が高い傾向にあります。
しかし日本はどうでしょうか昔に比べて移民は増えつつありますが、社会全体が日本語中心で生活できる環境なため実際には英語に触れられる機会は少ないと言えるでしょう。
この問題の解決策方法は"映画を字幕で見る"や"洋楽を聞く"等の身近で簡単に始められる事柄から英語への関心を高めていくことから始めるのが良いと思います。
これらを教育に組み込めば洋楽の誤訳を減らし、より曲に対する理解が深まり楽しみ方が増えると同時に英語力も鍛えられると感じます。