2026年度 広島文教大学附属高等学校 3学年

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探究テーマ

発展途上国における5歳児未満の死亡率について

テーマ設定の背景

ニュースなどで最近、ガザ地区では医療機関を攻撃されたり、栄養不足で痩せた子供を見て、衝撃を受け、紛争地域や発展途上国の医療についてもっと知りたいと思った。そこで,医療格差の影響が表われる指標として,このテーマを選んだ

仮説

発展途上国では、5歳未満の子供の死亡率が問題となっているが、以前より死亡率が下がった。このような問題がなぜ起こってしまったのか、また成功例を他の国に活かせないか

調査方法

インターネットでワールドデータバンクとユニセフの報告書から現状、原因やその根拠、解決策など取り組みを調べる

結果・分析

現状

5歳児未満の死亡率の現状として 2023年には、約480万人の子どもが5歳になる前に死亡しました。新生児の死亡者は5歳未満の死亡者のうち230万人を占め、ほぼ半数を占めています。

①のグラフを見てください。2000年から2023年までの23年間で、5歳になる前に1億7000万人の子どもが死亡しました。これは、8番目に人口の多い国であるバングラデシュのほぼ全人口に相当します。さらに、これを年間に直すと1年間で約740万人もの子どもが5歳になる前になくなっていることになります。

約7500万人の子どもは生後1か月以内に死亡しました。つまり、新生児は5歳未満で亡くなった子どものうち5人に2人またはそれ以上を占めています。

次に、②の地図を見てください。

2023年の5歳児未満の死亡率を国別に色分けした世界地図です。この地図では緑色が濃いほど死亡率が高く薄いほど死亡率がふ低くなっています。最も色が濃い地域はサハラ砂漠より南のアフリカ地域です。ワールドデータバンクによると2023年の5歳児未満の死亡率は日本で2.4%、サハラ以南のアフリカでは平均で61.2%と日本の約26倍も高く、1番低い国で34.7% 、日本の約14倍、1番高い国で114.8%にもなり、日本の約48倍になります。以上のデータから発展途上国において5歳児未満の死亡率がどれほど深刻な問題かがわかります。

では、なぜこのように発展途上国の死亡率が高いのでしょうか。

③の地図を見てください。一つ目の理由として紛争が挙げられます。治安維持や公共サービスの提供など、本来国家が担うべき役割を果たすことが困難な状況で紛争の影響を受けた国で生まれた子どもたちは、そうでない国で生まれた子どもに比べて、5歳になる前に死亡する確率がほぼ3倍です。

④のグラフを見てください。

5歳児未満の死亡率のリスクが高くなっているのは家庭の資産レベルや母親の教育水準、住居の位置,また出産するときの状況などがあり,いずれも1.5倍から3倍ほど高くなっています。

⑤のグラフを見てください。

毎年、何百万人もの子どもたちが先進国では予防することのできる感染症などで死んでいます。新生児の死亡や感染症は、世界で5歳未満の子どもが亡くなる主な原因となっています。

しかし,2000年以降世界全体で5歳児未満の死亡率は52%,新生児死亡率は44%も減小しました。

成功例

これから5つの事例を紹介します。

まず1つ目はネパールです。ネパールでは2000年以降5歳児未満の死亡率は67%、新生児死亡率は59%減少しました。

主な取り組みとして,5万人もの地域住民の女性ボランティアが専門の医師がいない山岳地帯や農村部において、一軒一軒の家庭を訪問し、予防接種の重要性を説き、ビタミンA剤の配布や、下痢・肺炎の初期対応を指導しました。この結果、予防接種率は90%を超えました

2つ目はインドです。

インドの取り組みは世界最大の健康保険制度「Ayushman Bharat(アユシュマン・バラト)」制定したことです。

年間約50万ルピー(日本円で約90万円弱、資料ではUS$5500と記載)までの入院費用をカバーする、世界最大の公的健康保険です。

貧困層や社会的弱者を中心に約5億人が対象で迷わず子供を病院に連れて行けるようになりました。

3つ目はブルンジという国で2006年に大統領令で5歳未満の子供と妊婦の医療費無料化を導入しました。

無料化によって医療機関を利用する人が爆発的に増加しました。特に「施設での出産」が一般的になり、新生児の生存率が大きく向上しました。

さらに、無料化を持続させるためにアルコールやタバコといった健康に害を及ぼす製品に課税し、その収益を母子保健の財源に充てました。

これらの事例を元に他国で応用するにはどうすればいいか

ネパールの取り組みを元に各地域で頼されている住民を「ヘルスワーカー」として育成・公認する。

ポイント:高度な医療知識よりも、「家を訪問して、適切なタイミングで病院へ繋ぐ」という橋渡し的な役割を果たします。

2つ目は対象を妊婦と乳幼児に限定して医療を無料にすることです。そしてブルンジのように、それを持続させるために酒・たばこ等の消費税を母子保健などの財源にします。

3つ目は、紹介はしていないのですが、ガーナの取り組みを元にスマホやタブレットを活用して,予防接種の履歴を管理し、まだ接種をしていない子供を自動でリスト化したり、死亡率が高い地域を即座に特定し、迅速に専門チームを派遣したりします。そうすることで、限られた予算や人員を効率的に活用できます。

まとめ

成功例の共通点として 貧困層や遠隔地を置き去りにしない公平性

   データに基づき、効果があるものに投資をすること

  医療を国の最優先事項に置く政治的意志が挙げられます。

そして、これらの国々は、資源が限られていても『やり方次第で命は救える』ことを証明していると思います。

残論点・今後の課題

結局いくら国連などの各国の支援を受けてもその国が5歳児未満の死亡率を優先して解決するべきと問題視し,解決するための政策に投資できるかに左右されてしまいます。

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