2026年度 広島文教大学附属高等学校 3学年

探究テーマ
日本と世界、比べてみた
①テーマ設定の背景
・日本では全員義務教育で英語を学んでいるのに、県や市、世界各国で英語力の差が生まれているのは何故なのか気になったから。
・実際に、私は小・中学校のこれまでに英語の授業を受けてきたが、私と他の国の同年代の生徒を比べると英語の習得力に明らかな差を感じたため原因が知りたくなった。
↓「義務教育期間に学んだ英語は活かせているかどうか」のアンケート(回答者:50人)

②仮説
・英語力の差が生まれているのは、教育方法・その国の言語による発音の癖・植民地時代などの歴史的背景・国民性などが関係しているのではないか。
・各国と日本の違いを比べることで日本の課題点を見つけ、他国の学習法を参考にすれば英語力の向上が期待できるのではないか。
③調査方法
①各国で英語教育の始まった時期、取り組み、言語学習に対するスタンス・モチベーションの違いを比較する。
②学校で全校全体にアンケートを取る。
・質問項目としては以下の通り
(1)あなたは小~中学校の義務教育の期間に学んだ英語が身につき、活かすことが出来ていると感じますか。
(2)小中学校の授業ではどんな風に英語を学びましたか。(例:グループで英語を使ってディベートした)
(3)英語の授業は楽しいですか。
(4)英語の授業を楽しむ為にどんなことをしたいですか。(例:英語版の映画を見る)
③アンケート結果を参考にしてよりよい学習方法を考える。
④結果・分析
調査結果①
・韓国・フィリピンの人々にとって英語は、職を得る為に必要なものなため、日本に比べて学習意欲が高い。
・英語教育に着手した時期も違う(日本は韓国・フィリピンの中で一番遅い)
・英語を勉強・使用している理由が異なる。例えば、韓国は学歴社会のため良い企業に入る為に英語を学習する”必要”がある。また、フィリピンは1898年までのアメリカによる植民地支配の影響で独立後も”公用語”になった。
・勉強方法の違い(韓国・フィリピン→アウトプット重視、実践的なものが多い。日本→インプット重視、文法や単語などの基礎的なものが多い。)
➡️日本は語彙力は身についているが、英語でのコミュニケーション能力、対話経験が少ない。
調査結果②
1)あなたは小~中学校の義務教育の期間に学んだ英語が身につき、活かすことが出来ていると感じますか。
校内の生徒、教職員(50名が回答)のうち、54%の人が「身についていない」と回答した。
(2)小中学校の授業ではどんな風に英語を学びましたか。
教科書を使った英文法の学習、グループでの意味調べなどの活動、ALTとの会話などと回答した人が多く、話すより
れていたことが分かった。
(3)英語の授業は楽しいですか。
楽しい・まあまあ・楽しくないの三つの選択肢の中で一番多かったのは「まあまあ」で29人次点は「楽しくない」て最多のまあまあと回答した人を「楽しい」にできるようにしたいと改めて感じた。
(4)英語の授業を楽しむ為にどんなことをしたいですか。
ハリーボッターを見る・洋楽を聞く・英語かるたをするなど遊び要素も入れた方が生徒達は楽しめることがわかった
また、私がセブ研修で授業を受けた時、スマホアプリケーションを使った謎解きのようなものが楽しく、また、問題やともでき、とても良いアイデアだと感じた。
義務教育期間の英語の授業では座学が主であったと答えた生徒が多かった。生徒が英語の授業でやりたい内容として、「英語ver.の音楽・映画・漫画」、「今すぐ使えそうな実用的な英単語を学ぶ」、「体を動かす授業」、「オンラインで海外のネイティブと会話する(メタクエスト等)」が挙げられた。
このアンケートの結果から、生徒の英語学習に対する興味・関心を高めるには、文法や単語を練習する座学だけではなく、日常生活で活用することを想定した、実践的な授業が求められている。また、自主的に学ぶことを目的とするために生徒が関心のあるものに英語を関連づけることも効果的なアプローチだと考えた。
調査結果③
⬇️私が提案したい英語の学習案
●グループワークを行う。
⚪︎洋楽をみんなで聴き、班全員で協力して聞こえた歌詞を書いていく。(リスニング能力・ライティング能力・チームワークUP!)
⚪︎流行りの漫画の海外版を日本語訳していく。(読解力UP!・実用性の高い言葉を学べる)
⚪︎体を動かすゲームを行う。例:英語で出された指示通りの行動をとる など (体を動かすと脳への定着も高まり、リフレッシュ効果も期待できる)
⑤まとめ
日本と韓国、フィリピンの英語能力を比べた結果3つの違いがあることが分かった。
一つ目は、英語教育を始めたキッカケ。
フィリピンは、1898〜1946年までアメリカにより植民地であったため、独立後も英語が公用語となった。
韓国は、1997年のアジア通貨危機で韓国ウォンが暴落したことにより、韓国企業が生き残るためにグローバル化に着手し成功したため多くの有名企業がグローバル企業へと発展した。同時に義務教育でも英語の授業の見直しが行われた。
日本で英語教育が行われたのは第二次世界大戦以降の1945年からである。
二つ目は、モチベーションの違い。
フィリピンでは、職を得る為、映画などの娯楽を楽しむ為など英語は「日常的に必要」であった。
韓国では「学歴社会」であり、グローバル化した企業に入る為には高い英語スキル(例:TOEIC 900点)が必要である。
日本では海外進出している企業(参考:TOEIC 730点)でも韓国ほど高いスキルは求められていないため、世界と比べて英語を身につける必要性に駆られていない。
三つ目は、学習方法の違い。
フィリピンでは、小1から英語教育が始まり、小3からは全ての授業が英語になる。また、授業内では書類作成などを英語でしている。
(アウトプット重視・活用して学んでいく)
韓国では、小3から英語教育が始まり、放課後は英語塾に通う。また、小中学校のうちから留学に行く場合もある。
(アウトプット重視・活用して学んでいく・オンラインやAIを活用する)
日本では、小3から英語教育が始まり、文法を中心に学んでいく。
(インプット重視・アウトプットの機会が少ない)
これらの理由により日本は世界と比べたとき英語能力が低いとわかった。
結果から、私たち日本人は積極的にネイティブとの会話、留学をする事でアウトプットの機会を増やすと英語スキルの向上が見込めると思った。
また、そのアウトプットの具体例として授業内で英語を使ったクイズや歌を歌ったり、音楽・映画を見ることによって興味や英語学習に対するモチベーションを上げることを考えた。
今回の探究で私は、世界と比べたときの日本の弱点を他国から学んだ学習法によって改善していくこと、日本の義務教育の指導内容の見直しが必要だと感じた。そして国同士で良い点を吸収しあって、英語で世界が繋がったり、日本がよりグローバルになってくれたら嬉しい。
⑥残論点・今後の課題
結局のところ、外国語を勉強するかしないかは本人次第な為、意欲を高めさせることは極めて難しいと思う。
それでも、学びたいと思えるようにするために他に良い案を考えていきたい。